アプリストア紛争で大きな進展: グーグルが外部決済を認める
グーグルとスポティファイは水曜日、スポティファイのアプリの将来のバージョンで、ユーザーがアプリ内でサインアップしてスポティファイのサブスクリプションに直接支払うことを可能にすると発表した。
グーグルとスポティファイは水曜日、スポティファイのアプリの将来のバージョンで、ユーザーがアプリ内でサインアップしてスポティファイのサブスクリプションに直接支払うことを可能にすると発表した。スポティファイの代替決済システムは、これまで専売的な立場にあった「Google Play Store」の支払いに加えて提供されると、両社は述べていある。
この動きは、世界中の規制当局が大きな焦点としているアプリ内のサードパーティ製課金システムを認めるという、大手モバイルアプリストアのこれまでで最も大きな譲歩となりそうだ。
これまで、Google Play StoreやアップルのApp Storeでは、開発者がデジタル製品やサービスの代金を請求するために、顧客から直接クレジットカード番号を求めることができなかった。その代わり、グーグルのシステムを通じてユーザーに請求する必要があり、グーグルは売上総額の少なくとも15%、多ければ30%を徴収する。
しかし、グーグルは完全にすべてをオープン化するとは限らなそうだ。水曜日の発表では、この動きを「試験的」と呼び、広く実施するためのタイムラインを提供しておらず、どの国が最初にこの機能を取得するかも特定していない。この発表では、まず「少数の」アプリメーカーにのみ独自の課金が許可されることが示唆されている。
スポティファイは、それが独自に処理する支払いのためにグーグルに手数料を支払うことになる。
グーグルのプロダクトマネージメント担当バイスプレジデントSameer Samatは「最近、韓国のユーザーに対してPlayの課金システムと並行して追加の課金システムを許可したことに続き、私たちの原則に沿って、他の特定の国でもユーザー選択型の課金システムを検討する」と記述している。
韓国で可決された法律に基づいて最近導入されたポリシーでは、グーグルは代替的な決済を通じて行われたサブスクリプションに対しては11%の手数料を取っている。おそらくこの条件がスポティファイにも踏襲されるだろう。
これを踏まえると、スポティファイのような大型アプリ開発者の利点としては、①30%から11%への手数料の減額②アプリストアへの画面遷移を伴わないなめらかな体験の提供③グーグルを通じることによるキャッシュフローの遅延の解消、が考えられる。
この動きは、iPhoneのApp Storeにおけるデジタル商品の第三者による課金に断固反対するAppleに圧力をかけるものでもある。
このアプリストアを運営するモバイルOS提供者へのアプリ開発者の異議申し立てに関しては、スポティファイが欧州で主要な役割を果たしてきた。欧州連合(EU)にも苦情を申し立て、昨年にはスポティファイの関係者が議会で、アップルが自社のApple Musicサービスに同じ料金を支払っていないため、アップルに支払う料金は不当であると発言している。
一方、北米ではフォートナイトの開発者であるエピックゲームズがこの批判を主導してきた。エピックは自社開発の決済をフォートナイトのiOS版とアンドロインド版に実装し、両プラットフォームから締め出された経緯がある。
特にエピックとアップルの法廷闘争は大きな注目を集め、いまでは最もオープンなゲーム/アプリストアを展開する企業に変身したマイクロソフトがエピック側に加勢するようなことも起きた。この法廷闘争は現在、第二審を控えている。
アップルは、韓国での代替課金の扱いについてまだ公にはしておらず、オランダではアプリ課金規制へのアプローチをめぐって数百万ユーロの罰金を科されている。