中国電池企業CATLの台頭 Axion Podcast #45

中国の電池業界を引っ張るのは寧徳時代新能源科技股份有限公司(CATL)という新興企業だ。CATLのトップである曾毓群(Robin Zeng)会長は、Appleの「MacBook」の電池技術に関わっていたエンジニア。彼は創業からわずか10年足らずで同社を中国を代表する電池メーカーに育てた。

中国電池企業CATLの台頭 Axion Podcast #45

Axion Podcastは、テクノロジー業界の最新トレンドを、元DIGIDAY編集者で起業家の吉田と280万会員の写真を扱うベンチャーの事業統括者の平田でディスカッションする対話形式のラジオです。Apple PodcastSpotifyGoogle PodcastAnchorでも聴取可能です。ご登録お待ちしております。

要約

中国国務院は11月初めに15年間の電気自動車に関する計画を発表し、2025年の国内の新車販売台数に占める「新エネルギー車」(NEV)の比率を20%前後に高める目標を打ち出した。国務院は15年後には、電気自動車(BEV)とハイブリッド電気自動車が、新規販売台数の約50%を占めるようになると予測。特にBEVの需要は強く、NEV販売の95%を占めることになると想定している。

BloombergNEF(BNEF)が9月に発表した世界リチウムイオン電池サプライチェーンランキングでは、過去10年間のトップを占めていた日本と韓国を追い抜いて、中国がトップに立っている。

中国の電池業界を引っ張るのは寧徳時代新能源科技股份有限公司(CATL)という新興企業だ。CATLのトップである曾毓群(Robin Zeng)会長は、Appleの「MacBook」の電池技術に関わっていたエンジニア。彼は創業からわずか10年足らずで同社を中国を代表する電池メーカーに育てた。

関連記事

中国、電気自動車で密やかな優位
バッテリー供給網を囲い込む戦略
電動化、自律走行、共有化された中国の自動車製造計画
中国の自動車製造計画は、「中国製造2025」政策の中で特に注目すべき10の分野の一つであるが、その規模を利用して数量で欧米を追い抜き、競争が激化する国内市場で品質で追いつくことだけに依存しているわけではない。産業政策を利用して、未来への道で欧米を追い越すことを望んでいる。
リチウムイオン電池のリサイクルが求められる理由
リサイクルのための設計が不足しているにもかかわらず、研究者は回収率を最大化する方法を模索している。水溶液を使用して破砕後の陰極材料から貴重な金属を浸出させるという、純粋な湿式冶金プロセスがより効率的であろう。
EV販売台数を急速に増やした中国の戦略
中国のEV指令は、カリフォルニア州のゼロエミッション車指令にヒントを得て、自動車メーカーが販売しなければならないゼロエミッション車の台数にノルマを設定し、それぞれが航続距離、エネルギー効率、電力などの特性に応じて一定の数のクレジットを取得する。

▼Special Thanks to Patron Shogo Otani, 林祐輔, 鈴木卓也, Mayumi Nakamura, Kinoco, Masatoshi Yokota.

▼Axion / 吉田へのコーヒー代の支援はこちらから https://www.patreon.com/taxiyoshida

Image via CATL newsroom

Read more

OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAIは東京オフィスで、日本での採用、法人セールス、カスタマーサポートなどを順次開始する予定。日本企業向けに最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供を見込む。日本での拠点設立は、政官の積極的な姿勢や法体系が寄与した可能性がある。OpenAIは法人顧客の獲得に注力しており、世界各地で大手企業向けにイベントを開催するなど営業活動を強化。

By 吉田拓史
アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表  往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表 往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビは4月10日、日本語のバリアブルフォント「百千鳥」を発表した。レトロ調の手書き風フォントで、太さ(ウェイト)の軸に加えて、字幅(ワイズ)の軸を組み込んだ初の日本語バリアブルフォント。近年のレトロブームを汲み、デザイン現場の様々な要望に応えることが期待されている。

By 吉田拓史