Huaweiがディスプレイ駆動回路に参入

中国のハイテク大手Huaweiは、自社製品のディスプレイ画像性能を向上させるために、いわゆるディスプレイ・ドライバー集積回路(DDIC)を製造する新事業に進出した。

Huaweiがディスプレイ駆動回路に参入

中国のハイテク大手Huaweiは、自社製品のディスプレイ画像性能を向上させるために、いわゆるディスプレイ・ドライバー集積回路(DDIC)を製造する新事業に進出した。Caixinが報じた。

この動きは、中国が世界の半導体業界のバリューチェーンを制覇しようとする最新の例であり、中国の企業はまだ海外の競合他社に追いついていない。

現代の電子製品のバックボーンを形成するディスプレイ・パネルの品質を支える重要なコンポーネントであるDDICの市場は、韓国に拠点を置く2社のメーカー、Samsung Display社とMagnaChip Semiconductor社が独占している。調査会社のIHS Markitによると、2019年第1四半期の世界シェアは両社合わせて89%であった。

独自のパネル・ディスプレイ事業を構築してきたライバルのサムスンとは異なり、Huaweiは現在、電子製品用のDDICとディスプレイ・パネルの供給をサードパーティ企業に依存している。

HuaweiのDDICの野望は、同社がこの事業の開発に特化した新ユニットを設立したと報じられ、最近になって注目を集めている。中国現地メディアの報道によると、Huaweiの消費者事業の責任者であるYu Chengdongは7月28日、エンジニアリングや製品開発を含む複数の部門を巻き込んだ戦略の計画を承認したという。

複数の調査会社のデータによると、HuaweiとSamsungは現在、世界の2大スマートフォンベンダーであり、2社合計で今年の第2四半期の新規携帯電話出荷台数の40%を占めた。

HuaweiのDDIC事業はチップ設計のみに関与し、製造は他の企業に委託することになると予想されている。Huaweiが製造を行うのはSMICのような地元の半導体企業を選択する可能性が高い。

しかし、現在進行中の米国政府の技術輸出制裁がこれらの企業をも標的にしているため、SMICのような企業がHuaweiのチップ製造を支援してくれるかどうかの信頼性にはまだ不確実性がある。

中国はパネルディスプレイの製造では長年の進歩を遂げ、現在ではBOE Technology Groupのような企業がこの分野のトッププレイヤーの一角を占めるようになったが、DDICの供給を外国企業に大きく依存している。

中国では、深圳に拠点を置くSino Wealth ElectronicやFocalTech SystemsがDDICを提供することができるが、中国のベンダーが提供する市場シェアは依然として小さい。

SMIC、中国の半導体国産化の期待を背負う
米国と中国の間の新たな「技術冷戦」は、今日の多くの電子機器の動力源となる半導体製造の自立化を目指す北京の動きをさらに加速させている。このような背景の中で、これまで無名だったSMICが、中国共産党の夢を実現するための「主人公」として浮上。政府の支援で規模を拡大し続けるSMICは業界を独走するTSMCと渡り合えるか。
Huawei、自動運転車のLidarの費用を200ドルまで下げる計画
Huawei は2年以内に自律走行車の最も重要な要素技術であるLidar(光による検知と測距)装置、のコストを大幅に下げることを計画している。

Read more

宮崎市が実践するゼロトラスト:Google Cloud 採用で災害対応を強化し、市民サービス向上へ

宮崎市が実践するゼロトラスト:Google Cloud 採用で災害対応を強化し、市民サービス向上へ

Google Cloudは10月8日、「自治体におけるゼロトラスト セキュリティ 実現に向けて」と題した記者説明会を開催し、自治体向けにゼロトラストセキュリティ導入を支援するプログラムを発表した。宮崎市の事例では、Google WorkspaceやChrome Enterprise Premiumなどを導入し、災害時の情報共有の効率化などに成功したようだ。

By 吉田拓史
​​イオンリテール、Cloud Runでデータ分析基盤内製化 - 顧客LTV向上と従業員主導の分析体制へ

​​イオンリテール、Cloud Runでデータ分析基盤内製化 - 顧客LTV向上と従業員主導の分析体制へ

Google Cloudが9月25日に開催した記者説明会では、イオンリテール株式会社がCloud Runを活用し顧客生涯価値(LTV)向上を目指したデータ分析基盤を内製化した事例を紹介。従業員1,000人以上がデータ分析を行う体制を目指し、BIツールによる販促効果分析、生成AIによる会話分析、リテールメディア活用などの取り組みを進めている。

By 吉田拓史
Geminiが切り拓くAIエージェントの新時代:Google Cloud Next Tokyo '24, VPカルダー氏インタビュー

Geminiが切り拓くAIエージェントの新時代:Google Cloud Next Tokyo '24, VPカルダー氏インタビュー

Google Cloudは、年次イベント「Google Cloud Next Tokyo '24」で、大規模言語モデル「Gemini」を活用したAIエージェントの取り組みを多数発表した。Geminiは、コーディング支援、データ分析、アプリケーション開発など、様々な分野で活用され、業務効率化や新たな価値創出に貢献することが期待されている。

By 吉田拓史