ポンジ・スキームで服役を終えた天才詐欺師、今度はWeb3に取り組む
2017年8月4日(金)、米ニューヨーク市ブルックリン区の連邦裁判所の外で、弁護士のベンジャミン・ブラフマン(右)とメディアのメンバーに話しながらポーズをとる、チューリング・ファーマスーティカルズの元最高経営責任者(中央)マーティン・シュクレリ。 Peter Foley/Bloomberg

ポンジ・スキームで服役を終えた天才詐欺師、今度はWeb3に取り組む

ポンジ・スキームと医薬品の不当な60倍値上げを行い、数年の服役を終えた有名詐欺師が、今度はWeb3に取り組んでいる。Web3にはAxie Infinityのようにポンジ・スキームと揶揄されるシステムが多数存在しており、様々な憶測を呼んでいる。

編集部

ポンジ・スキームと医薬品の不当な60倍値上げを行い、数年の服役を終えた有名詐欺師が、今度はWeb3に取り組んでいる。Web3にはAxie Infinityのようにポンジ・スキームと揶揄されるサービスが多数存在しており、様々な憶測を呼んでいる。

証券詐欺で7年の刑期の大半を終え、5月に出所したマーティン・シュクレリは25日、Web3に取り組んでいることを明らかにした。

「Web3創薬ソフトウェアプラットフォーム」では、独自の暗号通貨であるMSI、別名「Martin Shkreli Inu」を取引する。同社は合意アルゴリズムとして新しい「Proof-of-Optimization」を採用するとし、それについては 「関数最適化問題の解を検証し報酬を与えることで合意形成する斬新なProof-of-Work機構」と説明している。

月曜日に発表された プレスリリースでは、このプラットフォームは、まだ開発の初期段階にあり、早期段階の創薬をより安価でアクセスしやすくするものとされている。同社のホワイトペーパーによると、トークンは、分子を人体の標的タンパク質、酵素、受容体のモデルに完全に適合させるために必要なトリッキーな計算を解くコンピュータに配布されるとのこと。この処理に対価を支払う方式は、物理学、工学、物流などの問題解決にも利用できる可能性があると同社は述べている。

シュクレリは2015年9月、抗寄生虫薬ダラプリムの権利を取得した後、1錠13.5ドルから750ドルに56倍値上げし、ライバル企業が後発品を作れないような措置をとっていた。同年、シュクレリはFBIに逮捕され、裁判所は、シュクレリが反競争的行為によって連邦法と州法の両方に違反したと認定した。

公判では連邦地方検事は、シュクレリが「ポンジ・スキームの会社」を経営していたと主張している。2017年、シュクレリは、ダラプリムとは別件のポンジスキームをめぐって、2件の証券詐欺と1件の証券詐欺の共謀で連邦裁判所で起訴され有罪判決を受けた。最終的に彼は、連邦刑務所で7年、最大740万ドルの罰金を言い渡された。民事裁判では、さらに6,460万ドルの罰金を科され、罰金は全国の被害者に配付された。

2018年に7年の刑期を4年過ごしていたが、マンハッタン連邦地裁の裁判官は、別件でシュクレリに「いかなる立場でも医薬品業界への参加を生涯禁止すべき」という結論を出した。ニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズは、事務所の発表で「ファーマ・ブロ・ノー・モア」を宣言し、この有罪判決を賞賛した。

ハーバード大学の研究員で、オープンソースの創薬プラットフォームであるVirtualFlowについて記述したNature誌に掲載された2020年の論文の責任著者であるクリストフ・ゴルグーラは、英メディアThe Registerに対し、Druglikeのホワイトペーパーはどのピアレビュー誌にも掲載されていないため、専門家によって詳しく評価されていないとメールで述べている。

「そのような詳細なレビューがなければ、この新しいプラットフォームの信頼性や有用性を語ることは難しい」とゴルグーラは言った。「私は、この論文が査読付き雑誌に掲載されるまで待つことをお勧めします。どのような雑誌に掲載されるかで、影響力もわかります。例えば、NatureやScienceのようなインパクトファクターの高い雑誌に掲載されれば、それは素晴らしい新機軸である可能性が高いのです」

ゴルグーラは、シュクレリが「現在のインシリコソフトウェアは、不愉快なライセンス料を払うことをいとわない大手の製薬会社しかアクセスできない」と主張していることに異議を唱えた。「フリーソフトはたくさんあります。また、私がNatureで発表したソフトウェア(VirtualFlow)は、フリーでオープンソースです」とRegisterに対して語っている。

Web3は、テスラCEO のイーロン・マスクによって「今は現実よりもマーケティングの流行語」とからかわれている。暗号通貨評論家でソフトウェアエンジニアのスティーブン・ディールは「暗号資産に対する世間のネガティブな連想を、レガシー技術企業の覇権を破壊するという誤った物語に作り替えようとする下らないマーケティングキャンペーン」として特徴づけた。

Web3は、概念的にはブロックチェーン技術と暗号通貨を含む、より分散化されたバージョンのインターネットと言われているが、その非中央集権化は「幻想」であると断じられている。

日本よ、目を覚ませ、Web3はクソだ!
Web3の誇大広告は日本の政界にまで浸透し、大手メディアでは誤った説明が繰り返されている。バブル崩壊以降の30年間を経済停滞の中で過ごした日本にとって、Web3への投資は船が再び誤った方向に進んだことのシグナルとなってしまうだろう。
鳴り物入りの仮想通貨ゲームAxie Infinityが崩壊した経緯
「プレイ・トゥ・アーン(遊んで稼ぐ)」ゲームの代表格だったAxie Infinityが崩壊した。「デジタル小作農」を続出させるネズミ講的なゲームデザインからユーザーが離反する中、巨額の窃盗に合い、持続不能になってしまった。