わずか1年前、美団点評(Meituan Dianping)の損失は、売上よりも急速に増加していました。レストランにアプリへのサインアップを促し、配達に多額の費用をかけ、割引でユーザーを殺到させたためです。

しかし、いまや美団点評は、広告にもっと多くの料金を請求し、より大きな手数料を取り、主要事業の食品配達事業は現在利益を上げています。その成果は、Uber EatsからDoorDash、Swiggy、Deliverooまで、他の場所で損失を出す食品配達(フードデリバリー)アプリにとって希望の光です。

食品配達事業の黒字化に伴い、株価が145%上昇し、市場価値が750億ドルの中国で3番目に大きい公開テクノロジー企業になりました。その成功により、美団点評は、JD.comと検索大手の百度(Baidu)を追い越しAlibabaとTencentの後ろにつけました。

2018年9月に香港に上場した美団点評には、好調な旅行予約やグループショッピングサービスなど、その他の一連のビジネスもあります。これらは新たなキャッシュカウに育ちそうな徴候があります。美団点評は、予約手数料を2018年初頭の10.4%から前四半期の14.1%に引き上げました。これにより、中国経済が減速したとしても、美団点評は2018年第3四半期に830億人民元(120億ドル)でピークに達した純損失を取り戻せる公算が立ったのです。

美団点評の事業の展望は、中国の食品配送市場が成熟するにつれて改善されました。2018年末、その主要なライバルであるEle.meはユーザーベースを拡大しようとし、Meituanは競争力を維持するためにことのほか大量の資金を投じざるをえなかったのです。

1年後、美団点評は嵐を乗り越えました。Meituanのアプリには5900万人の売り手がおり、Ele.meの数の約2倍であり、第2四半期末の食品配達市場におけるシェアは、前年の59%から3分の2近くに上昇しました。同社は恐ろしい業績を叩き出しています。4億3,600万人のユーザーがそれぞれ年間26.5件の購入を行っており、前年より17%増加しているのです。

2010年にグループ割引券アプリであるGrouponの中国語版として、40歳の創業者Wang Xingによって開始された美団(Meituan)は、最初に食品の配達に移り、その後他の多くのビジネスに拡大していきました。列車や航空券の予約から食料品の配達、決済までです。同社の売り上げの半分以上を占める食品配達は、新規ユーザーを獲得するためのゲートウェイになっています。

最終的に美団点評はサービス業界全体を支配する可能性があります。物理的な商品を購入することを考えている場合、Alibabaに行き、何らかのタイプのサービスを使用する場合は美団点評に行くという棲み分けができつつあるからです。中国の「スーパーアプリ」の経済のなかでは、隙間の小さなサービスが大きなサービスに集積されていくのです。そしてこの戦略は東南アジアのGojek、インドのスタートアップ、それからFacebookウーバー等の米国勢に模倣されています。

美団点評は中国の小さな都市に特化しており、ユーザーはより忠実です。競合は、大都市の価格に敏感なユーザーに対し値引きを行って、利用を促進できるものの、そのユーザーは値引きとともに去ってしまうようです。

一方、同社は、自転車の共有や配車などの新しいビジネスでの習熟度は低いようです。昨年、グローバルな自転車共有のリーダーであるMobikeを27億ドルで買収したことは疑問視されています。現在、決済に焦点が当てられており、Meituanは「Maidan」という名前のクレジット支払い機能を年明けに発表したばかりです。

参考文献

Jason Tan. Meituan-Dianping Founder Merges Groupon, Yelp, Uber Knockoffs to Make Internet Services Giant. Caixin. Sep 19, 2018.

China’s formerly white-hot tech sector is in the doldrums. The Economist. Mar 9, 2019.

「何もしない」戦略で業績伸ばした美団点評、初の黒字化. 36kr Japan. Oct 16, 2019.

Meituan Dianping, Finacial Reports

"A Meituan bike" by jonrussell is licensed under CC BY 2.0