デジタルサブスクリプション解体真書 Axion Podcast #7

今回は前回に引き続きサブスク。吉田と平田は、マージナルコストの圧縮、KPI管理、消費者余剰、カスタマーサイエンス、マイクロペイメントなどについて議論しました。

デジタルサブスクリプション解体真書 Axion Podcast #7

Axion Podcastは、テクノロジー業界の最新トレンドを、元DIGIDAY編集者で起業家の吉田と280万会員の写真を扱うベンチャーの事業統括者の平田でディスカッションする対話形式のラジオです。SpotifyGoogle PodcastAnchorでも視聴可能です。

話した内容

前回がサブスクの基本事項のおさらいでした。今回は、もう少しだけ進んでみましょう。

  1. マージナルコストの圧縮。デジタルアイテムのサブスクは、ユーザーを追加しても、追加の費用が余り生じない。クラウドコンピューティングは、この拡張性を促進している。
  2. KPI管理。契約者数、解約率をみておけば、ビジネスの予測が容易。
  3. 特に低い解約率は重要。Netflixはケーブルテレビよりも解約率は高いが、普通のモバイル製品に比べると、驚異的な解約率は低い。
  4. 消費者余剰の大きいデジタルアイテムが最も成功しやすい。顧客が感じている価値が、月額課金学を上回る限り、有利。物理的なものは成約があり、平田は、ミールキットの「使いきれない問題」に直面したことがある。
  5. カスタマーサイエンス。顧客体験がとても重要なため、顧客のデータを分析し、深い洞察と動的なアクションの仕方を持つことが大事。
  6. 課金しているのを忘れるほど低価格であること。昔のiモード携帯のコンテンツ課金のようなもの。利用者は「これはなんだっけ」と思うが続ける。
  7. マイクロペイメントとの相性。平田は、ニュースサイトが一記事数十円ごとに課金して、一定額に達したら、サブスク化する仕組みを提案しました。これは実現可能な提案です。吉田は2点の課題を指摘しました。①都度課金型だとボラティリティが生じ、経常収益が消失するため、Netflixが『ストレンジャー・シングス』を制作できなくなるようなことが起きる②「使い放題」の方が心理的にはユーザーの気分は楽。

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