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アテンションエコノミーの終わり 可処分時間の限界と深刻な副作用

アテンションエコノミー(注意経済)はピークアウトしました。人々が一日に物事に注意を向ける時間は限界に達しました。人々は情報の渦の中で溺れています。

4 months ago

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アテンションエコノミー(注意経済)はピークアウトしました。人々が一日に物事に注意を向ける時間は限界に達しました。人々は情報の渦の中で溺れています。

注意はデジタル経済の最も貴重な資源の一つです。人類の歴史のほとんどの間、情報へのアクセスは限られていました。何世紀も前には、多くの人々は読むことができず、教育は贅沢なものでした。今日、私たちは大規模な規模で情報にアクセスできるようになりました。事実、文学、芸術は、インターネットに接続していれば誰でも(多くの場合、無料で)入手することができます。

1997年、マイケル・ゴールドハーバーは、世界経済が物質ベースの経済から人間の注意力に基づく経済へと移行しつつあると書きました。彼はそれを注意経済(Attention Economy)と名付けました。注意経済では、注意はリソースであるだけでなく通貨でもあります。ユーザーはサービスに対し注意を支払っている、と彼は考えました。

可処分時間の限界

メディアおよび技術調査会社のミディアが昨年2月に発表した報告書は、注意経済のピークアウトを強調しています。「エンゲージメントはゲーミングセクター全体で低下しており、注意経済がピークに達したことを示唆しています。消費者は、新しいエンターテイメントのための自由時間がないので、優先順位付けを開始する必要があります」。

この状況は日本でも同じです。博報堂のメディア環境研究所の「メディア定点調査2019」によると、メディア総接触時間は初の400分台、過去最高の411.6分。特に近年は、「携帯/スマホ」が人々の可処分時間のシェアを獲得してきましたが、人々は常に何らかのメディアと接触しており、飽和は近いと考えられます。

2019年を通じて、アテンションエコノミーがピークに達したという観測は、既知の事実へと変化してきました。2017年、Netflixのリード・ヘイスティングスは、睡眠が彼の最大の敵であると語りました。 2019年までに、彼はNetflixがHBOよりもFortniteと競合していると主張しました。

「旧世界」では、メディアは専用のフォーマットとハードウェア(新聞、書籍、DVD、CD、ラジオセットの印刷)によってうまくサイロ化されていました。ただし、今では、指でスワイプするだけですべてがひとつのデバイスからアクセスできるのです。注意の飽和は、必然であり、可能性ではありませんでした。

注意経済の深刻な副作用

しかし、この数年の注意経済の時代を通じて、神経科学や認知科学の知見を使い、ユーザーがスマホをタップしたり、スクロールしたり、「いいね!」を押したりすることを促し、習慣化させる技法は進化を続け、不健全な効果を利用者にもたらす水準まで到達しました。

コンピュータを使用して人を説得する技法である「説得的デザイン」(パースエーシブデザイン)は、行動科学とヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の婚姻の結果ですが、何を説得するか、説得の背後にどのような動機があるか、でその正当性が怪しくなる代物でした。

また、人々の細切れの注目に、ボットがフェイクニュースを差し込んだり、政治組織が雇った工作部隊が、政治的信条の流布と反対意見への攻撃を実行したりするソーシャルメディアの兵器化など、注意経済の副作用が、社会に暗い影を落としています。

次は安全で高品質な情報消費

重要な問題は、なぜこのようなことが起こるのかではなく、次に来るものと、このポストピークの世界で生き残り、繁栄するための正しい戦略とは何かということです。

弊社、株式会社アクシオンテクノロジーズは、それが安全で高品質なメディアの空間だと確信しています。そのため、サブスクリプション型のメディアアプリケーションを開発しようとしています。弊社のVisionMissionも読んでもらえると幸いです。

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参考文献

  1. Michael H. Goldhaber. The Attention Economy and the Net. First Monday, Volume 2, Number 4 - 7 April 1997.
  2. Karol Severin. Major Games Publishers Are Feeling The Impact Of Peaking Attention. MIDIA. Feb, 2019.
  3. Mark Mulligan. The Attention Economy Has Peaked. Now What?. MIDIA. Nov, 2019.
Takushi Yoshida

Published 4 months ago