気候変動

世界は初めて化石燃料からの脱却に合意した:COP28[英エコノミスト]

気候変動

世界は初めて化石燃料からの脱却に合意した:COP28[英エコノミスト]

2週間前、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)のために活動家と外交官がドバイに集まったとき、重要な合意がなされる可能性は低いように思われた。中東に戦争が復活し、地政学的秩序は分断されつつあった。サミット開催国として、世界有数の石油国家であるアラブ首長国連邦(UAE)と、その国営石油会社のトップであるスルタン・アル・ジャベール議長を選んだことで、サミットは巨大なグリーンウォッシュの場となる恐れがあった。 その代わりに、COP28は悲観論者を打ち負かした。世界は初めて、地球温暖化の主原因である石炭、石油、天然ガスからの脱却に合意した。国連気候変動枠組条約締約国198カ国は、「エネルギーシステムにおいて、公正で秩序ある衡平な方法で」化石燃料からの脱却を求める文書に合意した。 妥協したことに失望する人もいるだろう。 それにもかかわらず、この合意は重要かつ現実的な前進である。。欧州諸国は、化石燃料を完全に「段階的に廃止」することで合意することを望んでいたが、化石燃料生産者はこの合意を拒否した。小島嶼国(小さな島で国土が構成される国)は、自分たちの声が聞かれなか

By エコノミスト(英国)
世界的な気候変動対策への反発にどう対処するか[英エコノミスト]

気候変動

世界的な気候変動対策への反発にどう対処するか[英エコノミスト]

電気自動車(EV)への移行は「地獄への移行」であり、「あなた方の美しい生活様式」を破壊するとドナルド・トランプ前大統領は言う。グリーン政策に反対する政治家は彼だけではない。イギリスのリシ・スナク首相は、ガソリン車を何年も先まで段階的に廃止する計画を一蹴し、こう言った。「働く人々に大きな負担を強いることは正しいことではない」と。10月8日、ドイツの2つの州では、有権者が環境保護を掲げる連立与党に大打撃を与えた。スウェーデンでさえ、この1年間に何度も化石燃料価格を引き下げた。富裕な民主主義国家では、気候変動に配慮した政策に対する反発が起きている。 その原因はさまざまだ。気候変動が起きていることを否定する有権者もいる。また、気候変動が起きていることは認めるが、そのために増税やエネルギー価格の上昇を望まない有権者もいる。新しい設備を導入する手間を嫌う人も多い。特に年配者の中には、あらゆる変化に抵抗する人もいる。また、他の国々、特に自分たちが嫌っている国々がより低いコストでやっているのに、なぜ自分たちは犠牲を払わなければならないのかと問う人々もいる。 このような不満の大釜の下で、ポピュ

By エコノミスト(英国)