中国の厳しいゼロ・コロナ体制は、少なくとも大手自動車メーカー3社がウイルス規制を理由に生産を停止するなど、国内の自動車製造部門を再び大きく揺さぶっている。
一日の仕事を終えて、家に帰るのはまだ早い。映画でも観に行こうか。映画館に行くのもいいだろう。そんなとき、あなたはクルマの中に閉じこもる。タッチスクリーンのダッシュボードを数回タップすると、車内はマルチメディアの繭に変わる。光は滝のように車内を流れ落ち、スピーカーからはサラウンドサウンドが流れる。拡張現実(AR)メガネをかければ、目の前にスクリーンが出現する。 この没入型体験は、中国の電気自動車(EV)企業であるNioが、先月ベルリンで開催した発表会で自動車の未来像として打ち出した核心部分である。同社は、ハイエンドのEVを「第2のリビングルーム」にしたいと考えている。馬力、加速度、デザインはともかく、同社が強調するのは、車に搭載された20数個の高解像度カメラとトランジスタ(その数は680億個で、最新のiPhoneの約4倍)である。「私たちのクルマにはスーパーコンピューターが搭載されています」と、Nioのボス、ウィリアム・リーは誇らしげに語る。
商用バン、バス、そしてトラックが電化の機運が高まっている。商用バンとバスは、ちょうど総所有コスト(TCO)がガソリン車を下回る分岐点にいるようだ。トラックも補助金を加えるとガソリン車への競争力を持ちうる段階に入ったようだ。
自動車がソフトウェアによって制御されることで、自動車ビジネスが抜本的に変化することは、ほとんどの業界関係者の共通認識になっている。ただ、それを実現する力はこれまで自動車業界にはなかったものだ。各社は試行錯誤を繰り返している。
Mobileyeの上場目論見書は、ADAS向けの半導体ビジネスが黒字化しうることを示した。だが、より自律性の高い走行に対するハイエンドSoCが利益を生むのは、本格的な市場投入が予定される数年先のようだ。
トヨタの中国での成功、そして同国の電気自動車(EV)サプライチェーンへの参入計画は、「世界の工場」を回避することがトップメーカーにとってさえいかに困難であるかを示している。
フォードとフォルクスワーゲン(VW)出資の自律走行車プロジェクトが頓挫した。長期に渡って巨額の先行投資を要する自律走行車ビジネスは、世界的な不況観測の中で、シビアな淘汰の季節を迎えている。
広東省は世界の自動車産業において存在感を増している。元々、供給網の集積地であった同省は、中央・地方政府の支援を受けながら、電気自動車(EV)やインテリジェントコネクティッド車(ICV)、そして自律走行車の不可欠なハブへと変貌している。
自動車メーカーは、一般消費者が購入可能な価格で製品を提供しなければならないし、そうでなければ、消費者の自動車離れを招く恐れがある。
電気自動車(EV)が内燃機関に取って代わり始めた今、タイはグローバル産業での地位を維持するために、再び海外パートナーに目を向けている。20世紀半ばに米国のフォードや日本のトヨタがこの分野を牽引してきたのに対し、台湾の鴻海や中国のBYD、CATLといった新しい企業が、現在熱心に支援を求めている。
中国の駐米大使は、デトロイト自動車ショーへの訪問を機に、世界2大経済大国の「絡み合った」利益を強調し、中国を切り離そうとする潜在的リスクに対して警告を発した。
ヘルベルト・ディースは、テスラの技術力に匹敵するソフトウェアを提供しようと目論んだ。実態は、恐ろしく見劣りするソフトウェアの山だった。新CEOのオリバー・ブルーメはこの難題を解決しないといけない。