EV
最少の車種でEV市場を制する? テスラの戦略の有効性について[英エコノミスト]
2011年、テスラは「21世紀で最も魅力的な自動車会社になると同時に、世界のEVへの移行を加速させる」という目標を掲げた。当時は、これを煎じ詰めるのは簡単だった。2003年の創業以来8年間で、同社が製造したEVはわずか1,650台だった。最初の大ヒット商品であるモデルSは、まだ道路を走っていなかった。
今日、2008年以来自動車メーカーのボスであるイーロン・マスクがその目標を達成していないと主張するのは、ほとんど狂気の沙汰に等しい。彼の会社は、参入障壁の高いこの業界では珍しい反乱分子であり、破竹の勢いで成長してきた。2023年第1四半期、テスラのミニSUV「モデルY」は世界一のベストセラーとなった。第2四半期には合計46万6,000台を販売し、アナリストの予測を上回った(図表1参照)。2022年の130万台から今年は200万台を販売するというマスクの約束は、もはや絵空事とは思えない。7月15日には、角ばったレトロフューチャーなピックアップ、サイバートラックの第1号車が生産ラインから出荷された。テスラはドイツ工場の拡張計画を発表したばかりで、年産100万台への倍増を目指している。